① 中小企業診断士、コンサルタント、組織のリーダーがコーチング技能を習得することで「最強の診断士」「組織を動かすリーダー」になるための学びを提供しています。
②コーチングの基本からビジネスコーチングまで広くカバーし、職場やコンサルティングに役立つ内容になっています。
③一般社団法人の運営により、受講料が他と比べて安価になっています。
④講座修了生向けに認定制度を設け、検定試験合格者には「認定ビジネスコンサルティング・コーチ」の資格を付与しています。
⑤講座修了生を対象に、コーチング技能を磨くためのコーチングセッション会を定期的に開催しています(毎月1回、無料)。

組織のリーダー、中小企業診断士、コンサルタント、士業の方、今後独立を考えている方

 コーチングでは、基本的にクライアントにアドバイスをしません。コーチングは相手の思いを引き出すものです。「~したい」を引き出し、目標を明確にし、それを実現する行動を促していきます。
 具体的な行動に移していくにあたり、専門的な知識、経験を持ったコンサルタントや組織のリーダーの知見はここで初めて活かされていくことになります。
 コーチングの場面でコンサルティングをしてしまえば、相手の「~したい」という思いはしぼみ、コンサルタントやリーダーのシナリオを押し付けることになり、相手の意欲と行動を損なうことになってしまいます。あくまでもコーチングが先、コンサルティングは後です。このことができる人を「ビジネスコンサルティング・コーチ」と呼んでいます。

 コーチング技能の習得は目的ですが、講座の目標ではありません。目標はコーチング技能の習得を通して、エグゼクティブやリーダーの行動変革、組織のリーダーシップの開発をリードできるコンサルタントやリーダー・管理職を生み出すことです。コーチングだけですべての場面に対応できるわけではありません。コーチングやコンサルティング、ティーチングなどの技能を、その場面に応じて使い分けることのできるビジネスコンサルティング・コーチが必要と考えています。

 初級コースでは、まずコーチングへの理解、基本的なコーチング技能である「聴く」技能、「質問する」技能、「相手を感じる」技能の習得を目指します。
プロフェッショナルコースでは、初級コースで学んだコーチングのビジネスシーンへの展開を行うビジネスでのコーチングを学んでいきます。次のような場面を想定しています。
①エグゼクティブコーチング
②組織開発支援(グループコーチング、1on1面談の導入支援)
③リーダーシップの開発
④顧客先開発

①「聴く」技能

 コーチングはクライアントの話を聴くことから始まります。クライアントは、コーチに初めから心を許し、話したいことを話すわけではありません。目の前のコーチが信頼できるかどうか見定めようとしています。そのためには、コーチは目の前のクライアントの存在を承認し、相手の存在と気持ちを心から受け止められるかどうかが問われます。
 普段の会話と違って、コーチングのコーチは積極的傾聴のスキルである「うなずき」「相づち」「くり返し」の技法を使います。そのことによって、クライアントは、コーチに話を聴いてもらっているとの安心感を覚え、コーチへの信頼感の醸成につながっていきます。
 人は例外なく心から話を聴いてくれる人を捜しています。一方でそのような人にはなかなか巡り合うことができないと考えています。コーチがそのような存在になれたら、何と素敵なことでしょう。講座では、真に相手の気持ちを「聴く」ことのできるコーチを目指しています。

②「質問」する技能

 コーチングでクライアントが提示するテーマのほとんどは事柄です。その事柄に焦点を当てた質問によって解決しようとするとコンサルティングになってしまいます。これはコーチングとは真逆のアプローチです。
 コンサルティングでは、答はコンサルタントが持っていますので、コンサルタントが教えるという形になります。一方で、コーチングの答はクライアントが持っていると信じています。コーチ自身が答を持っているわけではありません。
 コーチングの質問は事柄を尋ねることではなく、クライアントの気持ちを引き出すために質問することになります。事柄をテーマに出してきた背景にあるクラアントの気持ち、「~したい」との思いを引き出していきます。そのために、コーチは自らの価値観、シナリオは脇において、クライアントと共に答を見つけていく質問の技能を身に付けていくのです。

相手を「感じる」技能

 私たちは物事や他人をありのままに見ているわけではありません。生まれてからこれまで、家庭や学校でのしつけ、受けた教育、人間関係、成功・失敗体験など、さまざまな知識や経験を通して、いまの自分自身のものの見方、捉え方、いわゆる認識が形成されています。100人いれば100通りの認識=ものの見方、捉え方=価値観が存在することになります。別の言い方をすれば、世の中は自らの認識からできていると言ってもよいでしょう。
 私たちは自らが形成してきた自分らしいものの見方、捉え方を頼りにして、物事や他人を認識しています。「あの人はこういう人に違いない」「あの人の言っていることはこういうことだろう」と自らの認識のフィルターを通して判断しています。人や物事を自分の色眼鏡で見ているということになります。
 自分のものの見方、捉え方に固執して、相手に「こうすべきだ」「こうあるべきだ」と自らの価値観を押し付けることになれば、コーチングは機能しなくなります。「自分と相手とは違う」ということが、コーチングの出発点です。コーチは、自分のものの見方、感じ方を知るとともに、相手のものの見方を感じ取る個性感知の技能が求められます。そのために自己理解や自己受容するコーチとしての自己基盤の形成が求められるのです。